男の育休 息抜きブログ

男性が育休を取ると家計を守れるかも

育休

夫婦共働き

図を見ると明らかですが、近年は夫婦共働きが主流です。20-30代に限るとさらにでしょう。

共働き等世帯数の推移 男女共同参画白書(概要版) 平成30年版

これは、女性の社会進出が進み、妊娠・出産を経てもキャリアを諦めずに済むというポジティブな見方もできれば、可処分所得が減少して1人の稼ぎでは足りなくなったという見方もできる気がしますが、ともかく、夫婦2人で働き続けたいor働かなければならない方が大半です。

出産後の退職が多い

しかし、なんと、第1子出産後に30.5%の方が退職しています。主な理由(41.5%)は、「仕事と育児の両立の難しさ」で、その具体的理由の59.3%は、「自分の気力・体力がもたなそうだった(もたなかった)」です。

育児・介護休業法の改正について 抜粋 厚生労働省 育児・介護休業法の改正について

「気力・体力がもたなそうだった(もたなかった)」という理由に待機児童1などのやむにやまれぬ事情がどれほど考慮されているかは不明ですが、世帯内で仕事や家事・育児の負担がオーバーしたときは妻が仕事を辞める事例が多いとは言えそうです。

厚生労働省の考える(?)防止策

ここで、夫の家事・育児の関連時間は、諸外国と比較しても際立って低く、

6歳未満の子どもを持つ夫婦の家事・育児関連時間 男女共同参画白書(概要版) 平成30年版

厚生労働省は、夫の家事・育児の関連時間が長くなれば、妻の退職を防止できると思っているようです。

厚生労働省 抜粋 育児・介護休業法の改正について

個人的には因果関係が相互にある(夫婦で働きたいから家事を分担した結果として、夫の家事・育児の関連時間が長くなっている)な気もしますし、そもそも家事・育児に参画したくとも日本の男性は労働時間が長すぎる、という悲しい話もあると思います。

日本の労働時間は長い

実際にOECDが出している Balancing paid work, unpaid work and leisure というレポートのデータをエクスポートしてグラフにしてみると、

日本の男性は Unpaid work(家事や育児や介護などの無給の仕事)の割合が諸外国と比べて低く、Paid work or study(有給の仕事や学習活動)の割合が諸外国と比べても高いことがわかります。

OECD 男性の生活バランス

逆に日本の女性は Unpaid work(家事や育児や介護などの無給の仕事)の割合が諸外国程度であり(つまり負担が女性に偏っている)、Paid work or study(有給の仕事や学習活動)の割合が日本の男性と比べて低いことがわかります。このことから、男性がバリバリ働き、女性が調整(時短勤務や一時的に育児に専念するなどしながら家事育児を担う)という例が多そうです。

OECD 女性の生活バランス

じゃあどうすればいいのか

このままでいいかというと、今後はそうじゃないだろうと思います。男性がバリバリ働くといっても、

  • 1人で稼げる額に限度がありますし(残業をどれだけ頑張っても数万円でしょう。また最近は労働時間の適正化の問題もあります。)
  • リストラなどのリスクもありますし、
  • 女性もなるべくキャリアを分断せずに働いたほうが生涯賃金は高くなるはずですし、
  • “130万の壁”の対応策を検討するという話が最近あったりして世の中的に働ける人は働こうという考えで制度改革が進みそうです。

そうなると、夫婦2人でフルに働き続けるためには、

  • 夫も家事・育児を担えるようになり、分担を増やす
  • 出来る限り家事の効率をあげ、Unpaid work の時間を減らす
  • 働き方に対する認識を変え、労働時間を減らす

といったことが必要になると思います。これを実現するための絶好のチャンスが男性の育休です。国からお金貰いながら家事・育児に専念し、ワークライフバランスを考える。ということで、タイトルの通り、男性が育休を取って(やることやれば)家計を守ることにつながる、と思ったのでした。

Footnotes

  1. 厚生労働省 令和3年4月の待機児童数調査のポイントによると、近年は統計上は減少してるようです。待機児童の判定方法にもいろいろ問題があるとは思いますが、ここでは言及しません。